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一般女子30~49歳の部で優勝した皆川麻美さん(右)と小出義雄さんの妻啓子さん=千葉県八街市で2022年10月23日午前11時33分、中村宰和撮影 拡大
一般女子30~49歳の部で優勝した皆川麻美さん(右)と小出義雄さんの妻啓子さん=千葉県八街市で2022年10月23日午前11時33分、中村宰和撮影

 陸上女子長距離の指導者だった故小出義雄さんの名前を冠した市民マラソン大会が23日、千葉県八街市で初開催された。小出さんの提案で企画され、2019年10月に第1回が予定されていたが、その4月、大会を見届けることなく小出さんが亡くなり、大会も直前の台風の影響で中止、翌年以降もコロナ禍のため開催できなかった。4年越しで開かれた大会には1275人が出場。ゆかりの人たちは「走る楽しさ」を伝え続けた故人に思いをはせた。【中村宰和】

小出義雄さん=千葉県佐倉市で2009年11月9日、根岸基弘撮影 拡大
小出義雄さん=千葉県佐倉市で2009年11月9日、根岸基弘撮影

 「どうしても走りたかった」。「小出義雄杯八街落花生マラソン大会」の10キロの部に出場した東京都墨田区の看護師、皆川麻美さん(31)は話した。小出さんが入退院を繰り返した県内の病院に勤務し、80歳で亡くなるまで約1年間にわたって病室を担当した。車椅子を押しながら楽しく会話し、フルマラソンを走ったことを報告すると「すごいな」と言ってくれた。皆川さんは「『褒めて指導する』と言われている通りの人で勇気付けられた」と言う。この日、皆川さんは一般女子30~49歳の部で優勝。小出さんの顔をあしらった金メダルを手に会場で小出さんの妻啓子さん(71)に報告すると、啓子さんは「まさかあの時の看護師に会えるなんて、ご縁があるのでしょう」と喜んだ。

 10キロの部のスターターは、娘婿の高橋健一・富士通陸上競技部監督(49)が務めた。孫で小学3年の優斗さん(8)は1・5キロの部に出場し「じじが空から見ているかもしれないから少し頑張れた」と完走した。小出さんの母校の順天堂大からは駅伝部のメンバー25人がオープン参加した。

一斉にスタートする選手たち=千葉県八街市で2022年10月23日午前10時、中村宰和撮影 拡大
一斉にスタートする選手たち=千葉県八街市で2022年10月23日午前10時、中村宰和撮影

 大会は、成田八街地区保護司会の木嶋由美さん(72)が小出さんに八街少年院での講演を依頼したことがきっかけだった。16年に講演が開かれ、終了後の意見交換で小出さんが「全国から人を呼ぶため僕の名前を使ったマラソン大会を開いたらいい」と提案して始まった。大会役員を務めた木嶋さんは「小出さんのおかげでたくさんの人が協力してくれ、ようやく開催できた。まちおこしのためにも大会を続けられるように頑張りたい」と思いを新たにしていた。

 スタート地点で拍手を送っていた啓子さんは「夫は走る楽しさを教え、ランナーが増えることを願っていた。こんなにたくさんのランナーが集まってくれ、夫も喜んでいると思う」と話した。

 小出さんは佐倉市出身で、00年シドニー五輪女子マラソンで金メダルを獲得した高橋尚子さんら多くの名選手を育てた。

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